お薬が出来るまでは本当に長い
新薬が次々に誕生し、病気で苦しまれている方々は新薬を心待ちにしています。
しかし新薬ができるまでには長い道のりがあり、患者さんにとっては本当に長くもう少し早くならないのか・・・という意見もききます。
新しい化合物が見つかった、新しい効果を持っていることが分かった・・・とニュースで報道されていても、それがすぐお薬になるということはありません。
なぜ即お薬として販売されないのでしょうか。
医薬品の中には怖いものもある
例えば糖尿病の方が飲んでいる血糖値を下げるお薬は他の方が飲めば、血糖値が一気に下がり危険な状態になる事もあります。
人の血糖値や血圧を操作し、熱を下げたり痛みを急速に取る、ということを考えると確かに怖いな・・・と感じます。
医薬品というのは人の体にいい効果も与えるし、悪い効果も与える可能性がある、だからこそ副作用やどのような効果があるのか、しっかりと調べておく必要があるのです。
但し全くリスクがないというお薬は存在せず、何らかのリスクがあると考えて利用しなければなりません。
長い道のりを経てやっと医薬品になる
医薬品は高価が強いけれど副作用も強い、というのではお薬としてリスクが大きすぎます。
抗がん剤などはそのリスクがわかっていても、がん細胞を減少させることが命を救うことと考えて利用しますが、通常お薬は副作用よりもずっと効果が高いというものでなければなりません。
国は医薬品の認可を出すまで、様々な研究、治験などを繰り返し、その結果を吟味し審査し、それから初めて医薬品として許可を得ることができるようになるのです。
薬の主成分となる化合物を発見するなど基礎研究を行いますが、この基礎研究に3年程度かかります。
この研究によって発見された効果が期待できる化合物等について、毒性、効果を調べるため、動物や細胞などを利用し徹底的に試験します。
効果、また毒性の有無、発がん性はないか?など、体内にどのようにどこに吸収され、その後代謝を受けて排泄されることについても試験します。
その後やっと臨床試験、つまり治験に進みます。
非臨床試験をクリアした治験薬を人に投与し、厚生労働省が定めた基準に基づき、計画、スケジュールを作り審査を受け、審査にクリアすると治験になります。
いくつかのフェーズがおこなわれてからクリアし、申請、審査、承認、さらに薬価基準収載をうけ、販売、市販されてからの調査ということになります。
ここまでの期間については、約10年必要といわれており、一つの薬ができるまでに500億円もかかるといわれています。
こうして医薬品となればいいのですが、途中失敗し医薬品として日の目をみないものもあります。
新しい薬が誕生するまでに様々な人の手を介し、より高い安全性を見極めなければお薬として販売されることはないのです。
多くの研究者が日々新薬の開発に携わってくれています。
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