若い頃は、お薬を処方されても、きちんとお医者さんの指示に従って飲むことができるでしょう。お薬というのは、いろいろな種類があります。そして、飲み方もそのお薬によって、微妙に異なります。毎食後に飲まなくてはならないものもあれば、1日に1回だけで良いものもあるでしょう。また、形状も様々で、錠剤のものもあれば、粉状のものもあります。
それらをきちんとルールに従って飲まなくてはなりません。
一応どんな処方箋にも袋に大きくそのルールが書かれています。
毎食後に飲むべきなのか、それとも1日に1回で良いのか、あるいは1回に飲む錠剤の数はいくつなのか、ということも大きな字やマークで指示されています。
もし、そういうお薬が1種類だけだったら、そんなに混乱することはないでしょう。
ところが、いくつかのお薬を飲まなくてはならないとなると、どれをどのようにして飲むのか、わからなくなってしまうことがあります。
特に大変なのはお年寄りです。
若い人の場合には、それほど病気を併発しているということはないですし、たとえそういう状態であったとしても、きちんとそれらのお薬を区別して飲みわけることはできるでしょう。ところが、お年寄りの場合には判断力なども鈍ってきますし、いくつかの病気を併発しているためにお薬の種類もそれに伴って増えてしまうことが多いです。
そうなると、ごちゃごちゃになり、どうやって薬を飲んだら良いのか、自分ひとりでは判断できなくなりがちです。
そういう場合には、もし同居されているご家族がいる場合には、ご家族の方がお薬を管理されることをおすすめします。
毎食事に薬を小さな小皿に入れて、食事の後にきちんと飲ませてあげるようにすると、患者さんも安心してそのお薬を飲むことができます。また、錠剤の場合には、アルミの容器から取り出すのが難しい場合もあります。そういう時には、あらかじめ、容器から取り出しておいて、小皿などに入れておくというのも良いでしょう。
お年寄りの場合には、ちょっとでも面倒な動作があると、飲むことそのものが億劫に感じられてしまいます。ですから、そういう工夫をすることが大切なのです。
もちろん、食事と一緒に出してしまうと、間違えて食事中に飲んでしまうこともありますので、食事が終わったころに、お薬を載せた小皿を出すというような工夫も必要です。
もし外出される場合には、1回ごとに飲むお薬を袋に小分けしておくと良いでしょう。そうすれば、その袋に入っている薬だけを飲めば良いので、混乱を避けることもできます。大切なことは、煩わせないということです。スムーズにお薬を飲めるような環境をご家族の方が作ってあげることが大切なのです。