非常に多くなっているアトピー性皮膚炎とは
昔はアトピー性皮膚炎という言葉を聞いたことがなかったですし、アレルギーについても現代の様にスギ花粉やブタクサによってアレルギーが出るということもあまり耳にしませんでした。
しかし最近はアトピー性皮膚炎もそうですし、スギ花粉、さらに猫などの動物、果物、蕎麦やピーナッツなどの食べ物によるアレルギーなど非常にたくさんのアレルギー源がある事が知られています。
アトピー性皮膚炎は今非常に多くなっていて、特に小さいお子さんなどアレルギーに悩むお子さんが急増しているといわれています。
アトピー性皮膚炎というのは免疫が過剰反応することによって起こるもので、アレルギー疾患の一種です。
遺伝的なアレルギー性素因により起る事が多いのですが、食生活や生活習慣、その環境などによって引き起こされることも少なくありません。
アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、皮膚の防衛力、保水力が低くアレルギーを持っていない人と比較すると刺激などによってアレルギーを引き起こしやすいといわれています。
遺伝的な要素を除外すると食生活が起因となっていることが多く、食生活にしっかりと気を配っていく必要があるのです。
漢方による治療と西洋薬による治療がある
西洋薬の場合、ステロイドによる治療、また免疫調整薬を利用した治療が一般的です。
しかしこの場合、一時的によくなっても薬の効果が切れるとまたかゆみが増したりすることもあり、根本的な治療が難しいといわれます。
ステロイドは短期間治療に利用するには効果がしっかり現れる事が多いので効果的な薬ですが、長期利用すると肌の色が黒ずんだり、肌が厚くなることもあり、適切に利用したいお薬です。
漢方薬の場合、アトピー性皮膚炎を二つの症状に分けて考えています。
一つは肌が乾燥し冬になると悪化する傾向が強く、粉を拭くような肌の状態になるタイプ、もう一つは夏に悪化することが多く、ジュクジュクし浸出液が出てくる炎症のあるタイプです。
乾燥タイプで炎症を伴っている場合には温清飲という漢方薬を、伴っていない場合、帰飲子という漢方薬を利用することが多く、湿潤タイプは浸出液が多い場合には消風散、浸出液は少ない、でも炎症が強いという場合、黄連解毒湯を利用することが多いです。
漢方薬は症状と体質に合わせ利用することが大切
他の方は効果があった、だからといって同じような症状でも別の人に同じ効果があるかどうか?というと、人によって症状、環境、体質などが異なれば合う漢方薬の種類も違ってきます。
お子さんにしても、大人の方にしてもアトピー性皮膚炎の原因がどこにあるのか、また皮膚の状態などがどのような感じなのか、それによって利用する漢方薬に違いがありますので、漢方専門の薬局や漢方に詳しい医師に処方してもらう方がより効果を期待できるでしょう。